2021年5月17日より実施いたしました「村上原野縄文造形作品集作成」のためのクラウドファンディングは、6月25日(金)23:00をもち終了いたしました。241名様の方からご協力いただき、総額は¥3,393,000となり、サードゴールの300万円をも達成することが叶いました。ご支援をいただきました皆様には、猪風来美術館・猪風来美術館後援会一同、心より御礼申し上げます。
いただいたご支援は、作品集制作費のほか ①英文での作品集の制作、②村上原野遺作展の開催の費用、③全国の主要大学、博物館、美術館などに作品集の寄贈と今後の猪風来美術館後援会の活動に充ててまいります。
皆さまのご協力により後援会の趣旨である「猪風来美術館の存続、発展の為の諸活動を後援し、古来縄文芸術の復活と現代縄文芸術推進の諸活動を後援する活動」がまた一歩前に進むことができます。重ねてお礼申し上げます。
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クラウドファンディングReadyForプロジェクト
「亡き天才縄文アーティスト村上原野作品集作成のためにご支援を!」
にご支援頂いた皆様へ
猪風来美術館後援会 会長 奥 津 亘
拝啓
村上原野作品集刊行クラウドファンディングにご協力をいただきまことにありがとうございました。予定をしていた目標金額をはるかに上回る結果となりました。なによりも心からお礼を申し上げます。私どもの予想や見通しを大きくはずれるという嬉しい結果となりましたのも、一重に多くの皆様からの絶大なご支援のおかげでございます。
これは、一つには、村上原野が皆様から愛され、信頼され、その夭折を惜しまれていることの表れだろうと存じます。原野とその作品が皆様を魅了し、皆様がいつまでもその作品が生き残ることを切に望んでおられることを証明していると思います。私たちは、皆様のご要望のとおり原野の作品が広く、深く、いつまでも愛され続けるように精一杯努力をしていくことをお誓いします。
二つには、「人新世」といわれる地球規模での大量絶滅に匹敵する速度での生物種の絶滅が危惧される中で、人類が生き残れる一つの指標が縄文時代の生活や考え方にあるのではないかと人々がおぼろげではあるが感じていることだと思います。縄文時代の土器・土偶等に感じる安心感や解放感、縄文の人々の生活の営みに覚える原始的な郷愁といったものの中に、人類の救済の徴憑を見出している人は多いと思います。こうした縄文時代への単なる懐旧ではなくて、サスティナブルな思想的営みの一つとして感じ取る思いが多くの皆様のご支援とご協力の後押しをしていると思います。縄文生活は極めて新しいのです。縄文土器を制作展示する猪風来美術館をしっかり堅持しなくてはならないと決意を新たにしているところです。
村上原野作品集の刊行とその普及等については今後も充実させ、皆様のご期待に沿えるように頑張ってまいります。今後とも猪風来美術館へのご協力をお願いしてお礼のあいさつといたします。
敬具
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●「村上原野縄文造形作品集」
村上原野著 2021年発行(A4版 110頁 表紙カバー付き) 定価4,000円
若き縄文アーティスト村上原野が生きた人生の歩みを、彼が残した言葉と彼が生命と魂を注ぎ込んで創作した縄文造形作品を紹介しながら辿ります。縄文一万年に軸足をすえて現代に生き、かつ一万年の未来を見すえる根源的思考と創造~縄文表現世界にいざなう作品集です。
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「第29回秋の縄文野焼き祭り~太古より響きくるスピリット、踏みしめる大地のタプカル~」が開催されました。
大型台風19号がまさに日本列島を直撃して通り過ぎるその時、ほんのわずかな進路のズレの間隙を縫って天気
が回復、奇跡のように縄文野焼き祭りを開催が実現しました。
青森や長野・東京など本州の遠方から参加予定の方々は交通網寸断のため来ることがかなわず、また甚大な
被害がもたらされつつある各地の状況を憂いその無事を祈りながらの祭り開催となりました。
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この日、県内をはじめ広島・島根・鳥取など台風被害のない中国地方各地からの多くの参加者によって、
無事に野焼きを終了することができました。
野焼き終了後には 大地と炎への感謝の祈りを込めて「大地の精霊ダンス」を皆で輪になって踊りました。
裏方でお手伝いくださった方々、縄文に魅せられご参加くださった方々、初披露の縄文ダンスを楽しんで
くださった方々、本当にありがとうございました。
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《縄文大地の精霊ダンス》
縄文太鼓と木のドラムが打つハートビートにあわせて 大地を踏みしめるタプカル、そして縄文土器文様
から創作した4つの手の振りつけを加え、皆が輪になって踊りました。
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《縄文野焼き大賞》
焼き上がった作品の中から特に独創性・縄文造形の光る作品を対象に「縄文野焼大賞」など4賞を選考し
表彰いたしました。
●受賞者(敬称略)
◆縄文野焼き大賞 ………………… 北村ますみ(広島県福山市) 縄文土器
◆新見市教育委員会教育長賞 …… 岡崎渚(新見市野馳小学校) にーみん土偶
◆法曽焼同好会会長賞 …………… 齋藤順子(岡山市) 縄文土器
◆猪風来美術館館長賞 …………… 兵頭百華(倉敷市) 縄文土器
【縄文野焼き大賞】 | 【新見市教育委員会教育長賞】 |
【法曽焼同好会会長賞】 | 【猪風来美術館館長賞】 |
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《縄文体験コーナー》
~縄文土器で煮炊きをしてみよう!~
2つの縄文土器を使って猪汁の煮炊き。
土器大好きな縄文女子たちが手際よく土器の周りに薪をくべて温め、水を入れ、野菜やキノコたっぷりの
野性味あふれる縄文鍋を作り上げました。
その美味しさに今回は行列ができる盛況ぶりで、みなあっという間に完食!
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~粘土でつくろう~
沢山の方々が土器や土偶つくりに挑戦、思い思いの作品を作りました。
年齢に関係なく土に触れ縄目を転がすと、そこは縄文への入り口です。
~粘石で勾玉をつくろう~
白・黒・ピンクのやわらかな滑石を削って勾玉の形に。
ひたすらに削り続け、それぞれの形を目指します。
勾玉は命のかたち、命の豊饒を祈って作ります。
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《販売コーナー》
地元法曽焼同好会による販売コーナーでは昼食や飲み物、地元特産品法曽茶・法曽焼、またピオーネの販売も
ありました。
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写真提供: 小林由典(法曽焼同好会)
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【「第29回 秋の縄文野焼き祭り」チラシ】 →PDF版を開く |
【『今を生きる縄文』チラシ →PDF版を開く】 |
●講演 『太平洋を渡る縄文の炎』
史上初、北米大陸での縄文野焼き――現代縄文アートの最前線を報告する
講師 猪風来 (猪風来美術館館長)/村上原野 (縄文造形家)
●映画 『縄文にハマる人々』 岡山初上映
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●2019 6月23日(日) 14:00~17:30
●岡山シティミュージアム 4階講義室
岡山県岡山市北区駅元町15-1(JR岡山駅西口前リットシティビル内)
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●主催:おかやま縄文の講演と映画実行委員会
●お問い合わせ先:℡090-1355-8497(担当:中山)/℡0867-75-2444(猪風来美術館)
●後援(順不同):岡山県/岡山県教育委員会/岡山市/岡山市教育委員会/新見市/新見市教育委員会
/山陽新聞社/朝日新聞岡山総局/毎日新聞岡山支局/読売新聞岡山支局/RSK山陽放送
/OHK岡山放送/TSCテレビせとうち/KSB瀬戸内海放送/RNC西日本放送/岡山リビング新聞社
●推薦人(順不同):石田米子(岡山大学名誉教授)/沖陽子(岡山県立大学学長)/奥津亘(弁護士)
/北川文夫(岡山理科大学教授)/松本直子(岡山大学院教授)
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縄文式竪穴住居「縄文 大地の気場庵」が猪風来美術館の広場に、一年がかりで完成しました。
(2016年9月~2017年9月)
昨秋よりの茅の収集をはじめ、春の木材の切り出し・皮むき、夏炎天下の茅葺きなどの作業に延べ235人の
方々のご協力があり、また資材や道具の提供、お志などが寄せられました。
この「気場庵」は、冬至の日没の太陽の光が入口から入り炉の中心に射しみ、一年中で最も弱まった太陽を
大地の子宮たる穴居に抱き太陽の復活を祈るように建てられています。
そして、完成して最初の冬至を迎えるこの日に、建設に協力いただいた方々をはじめとする参加者が集い、
悠久の時を越えて縄文の心に感応する『縄文冬至祭り』が行われました。
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《第一部》 講演会『縄文の住居・ムラ・世界観』
◎講演者 松本直子氏(岡山大学考古学研究室教授)
(縄文社会を主なフィールドとして認知考古学およびジェンダー考古学の視点から研究を進める。
考古学の新たな視点から縄文の心に迫るトップランナー)
今回の講演では、認知考古学の観点からの最新の縄文研究の知見が提示されるとともに、質疑応答の時間では
出席者の意見/疑問に応える形での縄文論の交流の場に。
縄文の精神文化の実像へと迫る、考古学とアートが連携する新たな可能性を感じさせる機会となりました。
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《第二部》 「縄文大地の気場庵」前広場にて
1 火おこしと冬至の日の入り迎えの儀式
2 穴居の火を広場の炉や篝火に点火
縄文太鼓の演奏(乙倉 俊)・祈りの女舞
3 楽器と舞が加わりセッション
参加者皆で大地を踏むラウンド・ダンス
第二部は火おこしから始まり、日の入りの陽光と炉の炎とが合一する瞬間を迎えます。
そして、猪風来によるペウタウンケ(神呼びの叫び)で演奏と舞いが幕を開けました。
縄文太鼓の音が谷間にこだまし、草冠を纏った三女性の舞いが太陽と大地を繋ぎます。
さらに舞踏家たちのダイナミックな舞いと、シャーマニックドラムやインディンフルートの調べが加わり、
最後は皆が参加してのラウンド・ダンスによって渾然一体となる大地への祈り。
縄文スピリットと大地の思考に感応する人達が心を一つに結び、現代に縄文時空が開くひとときとなりました。
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《第三部》 懇親・懇談会(会食)
第三部では、ふたたび創作館に集まってテーブルを囲んでの懇親会。
縄文食(ドングリ粥)や熊肉、鍋、そして参加者が持ち寄っていただいた差し入れなどを囲んで舌鼓を打ち、
みなで汗を流した竪穴住居と縄文体験の話題に花を開かせました。
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(撮影協力:米本久美子)
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【縄文冬至祭り チラシ】 →PDF版を開く |
(この竪穴住居づくりは(財)福武教育文化財団の助成を受けています)
講演では、猪風来美術館の国内外での活動をはじめとする現代縄文アートの潮流の紹介から、猪風来の縄文
一筋40年の創作体験にもとづく縄文スピリットの開眼、そして文様造形の解読から縄文の“心と技”と“知の体系”
について語られ、約百名の聴講者が熱心に聞き入っておりました。
聴講者からは「新鮮で衝撃的だった」「これまで弥生時代のことしか知らなかったが、縄文について今日
講演で聴いて目から鱗が落ちる思いだった」「私も土器作りをしてみたいと思った」といった感想が寄せら
れました。
今回の講演会は岡山県博物館協議会25周年記念として企画されたものであり、岡山県を中心として西日本
での縄文芸術・文化への関心の高まりを感じるものとなりました。
ご来場のみなさん、スタッフのみなさん、誠にありがとうございました。
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主催:岡山県博物館協議会(℡086-225-4800) / 共催:岡山県,公益財団法人岡山県郷土文化財団
発行:猪風来美術館(℡0867-75-2444 〒719-2552 岡山県新見市法曽609 Website: http://www.ifurai.jp)
【生命と魂のデザイン―日本の古縄文アートから現代縄文アート チラシ】 →PDF版を開く |
→【デンバー国際空港公式サイト(Arts of Jomon - DenverInternational)】
【出展作家(50音順)】
猪風来 Ifurai(縄文造形家)
大森準平 Junpei Omori(陶芸家)
大藪 龍二郎 Ryujiro Oyabu(陶芸家)
大山康太郎 Kotaro Ooyama a.k.a.Mon(ライブペインター/DJ)
金理有 Riyoo Kim(陶芸家)
坂巻善徳 a.k.a.sense(美術家)
小林武人 Taketo Kobayashi(3DGGデザイナー)
澁谷忠臣 Tadaomi Shibuya(グラフィックアーティスト)
篠崎裕美子 Yumiko Shinozaki(陶芸家)
竹谷隆之 Takayuki Takeya(フィギュア造形師)
堀江武史 Takeshi Horie(修復家)
片桐仁 Jin Katagiri(俳優、タレント)
丸岡和吾 Kazumichi Maruoka(髑髏作家)
村上原野 Genya Murakami(縄文造形家)
結城幸司 Koji Yuki(版画家・彫刻家)
ARTs of JOMON in 新見に引き続いて、アメリカでの現代縄文アート展の開催。
日本から15名のアーティストによる縄文造形作品などを展示しました。
→【アメリカでの縄文アート展開(ARTs of JOMON in DENVER に先駆けて)】
【山陽新聞 2015.09.18】 |
今回アメリカでオープンした ARTs of JOMON in DENVER 展に先立ち、関係する縄文アーティスト8名
が渡米して、展示準備のほかコロラド州・アリゾナ州各地で縄文アートのプロジェクトや交流活動を展開し
ました。
【渡米作家(50音順)】
猪風来(縄文造形家)/大薮龍二郎(陶芸家)/大山康太郎 a.k.a. Mon(ライブペインター/DJ)/
小林武人(3DGGデザイナー)/坂巻善徳 a.k.a. sense(美術家)/篠崎裕美子(陶芸家)/
村上原野(縄文造形家)/廣川慶明(フォトグラファー)
【ARTs of JOMON in DENVER 展示準備作業】 |
【山陽新聞 2015.09.18】 |
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●縄文ワークショップ
(8月15日,16日 コロラド州ボルダー市)
ボルダー・ポッタリー・ラボ(Boulder Pottery Lab)で猪風来、大薮龍二郎、村上原野を講師として
縄文ワークショップを開催。
【ワークショップ見本作品の制作】 | |
【スライドレクチャーと縄文の道具作りワークショップ】 | |
【縄文造形実践ワークショップ】 | |
【ワークショップ参加者の方々と】 |
猪風来、大薮龍二郎、村上原野の三人が館内で制作した作品三点を、縄文アート交流のあかしとして、
ボルダー・ポッタリー・ラボ代表のナンシー氏に寄贈しました。
【作品寄贈】 |
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●ARISE Music Festival
(8月7日~9日 コロラド州ボルダー市)
8000人が集まった音楽フェスティバルの会場ギャラリースペース横にパネルを設営、開催期間中に
sense が壁画をライブペイントを実施。
大薮龍二郎、村上原野がサポートとして参加。
【ARISE Music Festival 会場と壁画】 |
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●Mural Project
(8月11日~22日 コロラド州デンバー市)
デンバー市内のチェリークリーク(Cherry Creek)で sense, Mon が壁画制作を実施。
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●ギャラリー壁画
(8月17日~22日 コロラド州デンバー国際空港)
デンバー国際空港ターミナルギャラリー内に壁画制作を実施。
【ギャラリー壁画制作】 |
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●レセプション
(8月20日 コロラド州デンバー市)
デンバー市内のDOMO(日本料理レストラン)にてデンバー市のアート関係者らを招いた日本の縄文
アーティストとの交流パーティ。
およそ50名が参加。
【レセプション】 |
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●ホピ探訪
(8月22日,23日 アリゾナ州ホピ・メサ)
ホピ族(ネイティブアメリカン)のルーベン氏を訪ね、猪風来、村上原野が縄文とホピの文化交流。
TEWA村で開催されたSocial Danceに参加。
ファースト・メサでホピの陶芸家ドロシー氏によるホピ式野焼きを拝見。
ホピのメサ内では写真撮影が禁止されています |
アリゾナ州セドナ市でホピの源流といわれるシワナ族遺跡へ行き、岩絵やボルテックスのメディスン・ホール、
“大地の子宮”などを訪れる。
【シナワ族の遺跡(岩絵、ボルテックスにて)】 |
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【ARTs of JOMON in 新見 チラシ】 →PDF版を開く |
日本列島に一万五千年前より花開いた縄文文化が、近年世界から注目を集めています。
考古学での成果は縄文の実像を解き明かしつつあるとともに、その芸術としての造形美の存在を世界に知ら
しめています。
この動きは現在、絵画、彫刻、デザイン、陶芸、織物、音楽、映像、演劇、ファッションなどあらゆる領域
へと広がり、今日では縄文アートを志す多くの若き芸術家達が各ジャンルで活躍しています。
すなわち、縄文のスピリットとインスピレーションに感応して創作するアーティスト達の活動が潮流となり、
現代縄文芸術運動がいま大きく飛躍しようとしているのです。
ARTs of JOMON展は全国の主要な現代縄文アーティストが結集し、日本文化の根源である縄文スピリット
にもとづく現代縄文アート作品を展示し、全国―世界に発信するものです。
これまでに各地で展示が好評を博し、このたびメインアーティストの一人である猪風来の地元・新見市での
開催となりました。
現代縄文アートの新しい時代を拓く作家たちの作品をぜび高覧ください。
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■参加出品 全国の主要な縄文アーティスト(19名)
岡山県内の縄文作家(5名)
■特別展示 片桐仁作品特設コーナー
JOMO-T展(縄文をテーマにデザインしたTシャツを展示)
メディアアート(縄文の世界観を醸成した映像作品を上映)
■公開制作 ライブペイント(縄文アーティスト3人による絵画)
6月16日(13:00 - 17:00)~17日(10:00 - 17:00)
渋谷忠臣・坂巻善徳 a.k.a sence/さかいひろこ
■オープニングセレモニー・キュレーターによる作品解説
6月18日 9:00 -
■縄文ワークショップ(各先着20名 参加費300円)
6月20日/21日 10:00 - 15:00
黒曜石のアクセサリーづくり(講師:草刈朋子)
縄文土鈴をつくろう!(講師:村上原野)
■主催 新見市・現代縄文アート展実行委員会
■企画制作 猪風来美術館・NPO法人jomonism
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【ARTs of JOMON in新見 会場写真】(画像をクリックで拡大します) |
【ARTs of JOMON in新見 ワークショップ】(画像をクリックで拡大します) |
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【山陽新聞 digital 2015.06.16】 (クリックで記事を開きます) |
【山陽新聞 digital 2015.06.18】 (クリックで記事を開きます) |
【山陽新聞 2015.06.23】(画像をクリックで拡大します) |
【山陽新聞 2015.05.30】(画像をクリックで拡大します) |
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猪風来の生まれ故郷福山で初の「縄文の心と文化を語る」講演会。
福山には縄文時代中期の有名な遺跡である馬取貝塚(柳津)があります。
また、帝釈馬渡岩陰遺跡からは、縄文時代草創期(約1万5000年前)の土器が出土しており、これは
世界最古級の土器です。
備後の地にも確かに息づいている縄文の魂を呼び覚まし、“縄文の美”について語り合う心と文化の講演
となりました。
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【猪風来による、福山出土の縄文土器再現製作】 |
■主催 古代縄文の歴史研究会
■後援 福山市教育委員会・中国新聞備後本社
山陽新聞社・(株)プレスシード
■お問い合わせ先 090-3477-9479
(画像をクリックで拡大します) |
数千年の時空をこえて「縄文スピリットから始まる新しい創造」の炎が、東京の縄文王国・町田の地に
燃え上がりました。
『東京町田・縄文アートフェス』ではメインイベントである「野焼きまつり」をはじめ、縄文シンポジウム
や町田の縄文遺跡を巡るツアー、縄文ワークショップといった縄文づくしの一日でした。
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野焼きする作品は、2月15日に集まった約40名の方々が制作した縄文土器・土偶の数々。
町田市の出土品を参考に、自由に創作した作品です。
まずは講師・猪風来が縄文造形の意味をはじめ、文様の入れ方や入魂の造形など技法をレクチャー。
そこから皆が各々の創造をふくらませてゆき、見事な縄文の作品をつくりあげました。
このほか、猪風来(猪風来美術館館長)と村上原野(同・陶芸指導員)による町田市出土の再現制作を
した土器・土偶なども一緒に焼き上げます。
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野焼き当日には北海道のアイヌの方々も駆け付け、猪風来らとともに火と天地の神々に祈りをささげる
縄文野焼きカムイノミをとりおこないました。
炎に向きあっての大自然への祈りの儀は、野焼きと祭事の本質をあらわす象徴的なシーンでもありました。
東京藝術大学の方々も野焼きスタッフとして参加し、たくさんの人たちの力が集結します。
【数日前から野焼き場を整備する(野炉焼き)】 | |
【火入れ】 | 【カムイノミの儀】 |
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【作品を火の周りに並べる】 | 【徐々に炙ってゆく】 |
【作品が熱くなってから炎の中に入れる】 | 【木を積んで炎を大きく育ててゆく】 |
朝7時から野炉の準備をはじめ、9時に火入れとカムイノミ、そこから徐々に炎を大きく育ててゆきます。
皆の制作した作品も火にあぶられて、熱が高まるとともに土色から黒、黒から赤へと次第にその色を変え
てゆきます。
【器体の色をみながら木を積む】 | 【炎が野炉を包み込むクライマックスへ!】 |
【炎の子宮が完成し、炎が大きくたちのぼる】 | 【少しずつ炎がおさまってゆく】 |
【焼き上がった作品がその姿を現す】 | |
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最後に大きな炎が町田の空へとたちのぼり、作品に新たな命が宿ります。
“やきものの原点”の力強さを居あわせたたくさんの人たちが共有した時間でした。
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同日には縄文シンポジウムとしてひなた村カリヨンホールで小林達雄国学院大学名誉教授、町田市の
川口正幸学芸員らによる講演や、大薮龍二郎、小林武人によるアーティトトークも行われ、立ち見が出る
ほどの盛況となりました。
また、野焼き会場では黒曜石を使ったアクセサリーやアイヌ文化などのワークショップもあり、訪れた人の
興味を引いていました。
野焼きの佳境には燃えさかる炎の前で GENZ によるバンドの演奏が催され、祭りの熱気を盛り上げました。
【黒曜石ワークショップ】 | 【アイヌワークショップ】 |
【炎の前で GENZ のライブ】 | |
(画像をクリックで拡大します) |
このほか町田の縄文遺跡を巡るツアーなども開催され、日本列島の遙かな文化のルーツを見て、聞いて、
ふれて感じる縄文づくしの一日となりました。
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今年1月には東京青山のスパイラルガーデンで開催された『ARTs of JOMON 展』で現代縄文アートの新潮流
を示し、そしてこの2月の町田での縄文野焼きの実現は、縄文の古層から現代までをつらぬく縄文文化の心髄を
あきらかにする“縄文の美”の狼煙となりました。
「これは、約40年間にわたり縄文の道を邁進してきた中での、夢の実現でもありました」(猪風来)
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■ 問い合わせ先
(事業全般に関すること)産業労働局観光部振興課 TEL:03-5320-4768
(イベントに関すること)パシフィックコンサルタンツ株式会社 TEL:042-372-3297
【東京町田・縄文アートフェスチラシ】 →PDF版を開く |
猪風来(土偶を制作) | 村上原野(土器づくり) |
芸術新潮2014年7月号で、猪風来美術館と春の縄文野焼き祭りを取り上げた『現代の縄文土器を野で焼く
猪風来の豊饒世界』が掲載されました。
空にたちのぼる炎が縄文土器に生命を宿す、縄文の真髄である野焼き。
そこに体現される猪風来縄文スパイラルのゆたかな造形美と精神世界に迫る。
縄文野焼きの一部始終を目撃し作品が生まれ出る瞬間に立ち会った記者の綴るルポルタージュです。
文:草刈朋子 写真:廣川慶明
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縄文造形家であり縄文赤漆研究家である猪風来は、国宝である中空土偶(函館市著保内野遺跡出土)の
赤漆塗装の解明に取り組んできました。
その成果を纏めた論文【「国宝土偶」(中空土偶)の漆塗装と縄文の赤漆に関する実験考古学的研究】が、
このたび函館市の公募事業「平成25年度 縄文文化特別研究」として発表されました。
現在、函館市縄文文化交流センターの公式ページで公開されております。
国宝である中空土偶(函館市著保内野遺跡出土)には、本来黒漆と赤漆が塗装されていましたが、漆はわずか
しか残存せず、ほとんど剥がれた状態で出土しました。
この剥離した漆塗装は、あえて剥離を前提として(祭式のために)計画的に塗装されたものである、という説
が提唱されていました。
このことが「縄文土偶祭式の不思議」として、考古学的な解明が求められてきました。
また、赤漆に用いられた赤土ベンガラにも謎がありました。
縄文時代に赤土ベンガラがどのような技法で生産されていたのか、これまで多くの考古学者が再現を試み
ながらも明確な実証に至らず、課題とされてきました。
こうした“縄文の赤”の美の秘密を解明する、縄文の技法による再現がはじめて成功をおさめました。
論文では、猪風来による成果の詳細な経過と結果が纏められています。
縄文赤土ベンガラの生産実験においては、岡山県吹屋で採取された天然黄土を、縄文野焼きで1000℃焼成
することによって、高純度のベンガラ(酸化鉄(Ⅲ)・酸化第二鉄)の精製に成功。
また、生産した赤土ベンガラと生漆(備中漆)を混合した赤漆を用いた赤漆塗縄文土器の作成に成功しました。
これは、天然原料と縄文の技法を徹底した実験考古学的成果の確立となります。
中空土偶の漆塗装の計画的剥離実験においても、縄文時代に存在しうる塗装技術の追求によって、剥離状況の
再現実験に成功。
縄文人の土偶をもちいた祭式儀礼を解明する端緒を開きました。
こうした成果は、縄文時代の赤漆の「心と技」を解明する考古学上の大きな手がかりを提示するものです。