作品「いのちの淵源」2024年(羊毛の手紡ぎ・草木染・手織作品)250×265㎝ |
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●会期:2024年11月1日(金)~2025年2月28日(金) 休館日:月曜日(祝日の場合翌日休館) 月・火曜日(祝日の場合は開館)※冬期12~2月 縄文土器の胎内は生命をはぐくむ子宮。土器は生命を抱き、生命の文様で祝福する。 洞窟や竪穴住居のように、お母さんのお腹の中の満ちた世界。 土器胎内からはおまえを育んだ北の暮らしが鮮やかに溢れてくる。 山おんな雪おんなのいる日々。 縄文土器の周縁に張り巡らされた縄文渦の文様は、土器の胎内と外界をつなぐ生命の渦。 渦は生と死、過去と未来を行き来し、夢と現をないまぜにして、 胎内に入り外界に飛びだし、また内に還って来る。 どこまでも果てしなくつながっていく渦は、時と空間を縦横無尽に駆けていき、 あらゆる境界を飛び越え自在に行き来する。いのちの淵源の世界。 村上原野の縄文土器の生命の渦文様の内と外の世界、
その境界を行き来する時空を超えた世界をタペストリーに表現してみた。 湧き上がる縄文渦の細部は緻密で、美しい渦が大小織りなして増殖していく。 大地に沁みこんだ記憶。何年もの長い間に積み重なった大地の記憶。 この大地と空間には原野の縄文の炎を燃やし続けてきた心意気や気魄が溢れている。 この風景と時間が好きだ。シンクロする。同調する。 手触りをたしかめ、感触を合わせる。そして憑かれたように織る。 循環する生と死と再生の精神世界を表現する縄文渦、 そこに確かに刻まれている生命と魂の風景。 遠い未来に遙かな地平で、発掘される縄文渦に象られたものたちに思いをはせ、 それまで世界中のすべての生命を抱く母なる大地と共にありたいと、いつも切に願っている。 どうぞご高覧ください。 |