― これまでのイベント(記録) ―

▲「これまでのイベント」ページに戻る

第33回 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
~ふみしめる大地からの伝言 縄文(あなた)の聲(こえ)を聴く~

【開催日】2021年10月10日(日)

「第33回秋の縄文野焼き祭り」が開催されました!


 10月10日法曽の谷間は深い霧に包まれて森の生き物たちや精霊はまだ眠っているよう。

 白い靄の中、朝7時前には縄文野焼きの火おこしに集まった人たちの手で、いつものように火をおこし縄文野焼き開始。

 次第に薄れていく霧と朝の光の線が交差する頃、徐々に集まってきたスタッフも加わり、8時過ぎには作品を火のまわりに並べあぶり焼き。

 前日までに2度の野炉焼きを済ませて野炉の状態はベスト、晴天続きで材木もよく乾いていています。

 焼き上げる作品は約100点。特に今回は岡山県備前市の縄文時代中期末(約4000年前)の「長縄手遺跡」の発掘品の中から、猪風来美術館で縄文土器作りを学ぶ有志の協力の下、これらの土器を復元するためのチーム【長縄手遺跡縄文土器再現プロジェクト】をつくり、再現制作した土器が8点。

 西日本縄文にも見事な造形美と高い技量を持つ、六つ突起や七つ突起のものすごい縄文土器が存在!そして陶芸教室生の生命の躍動する縄文文様が施された土器作品や愛らしい土偶鈴・土鈴などの力作が揃い壮観です。


 野焼きスタッフは猪風来を中心に座り、野焼きの成就を大地や火や森羅万象に祈る「カムイノミ」を行いました。

母なる大地から産まれた全ての生命は母を同じくする同根であり、等価な生命の円環をなしています。

縄文の造形・文様には、これらのすべての生命が豊かでありますように、という祈りが込められています。

 命の循環-生死・再生は、この地上に生きる全ての生命にとって希望・祈りでもあり、そしてそれはまた喪失と別れの辛さ悲しさを内包するものでもあります。

縄文野焼きの炎は、亡き村上原野とこの場を繋ぎ、彼は確かにそこに在り野焼きに参加していたと思います。


 2つの野炉「女性チーム」は6人、「男性チーム」は7人のスタッフで野焼き。

 各リーダーの指示のもと、炎を徐々に大きくしていきます。

 強い火力に太陽の熱い日差し、刻々と作品は黒茶色から少し赤みを帯びて順調に温度が上がっていきます。

 野炉は近寄れないほど熱くなりスタッフたちは疲労困憊の様子です。

 最後の力をふり絞り、材木を組み板材を積み上げて、火と人が絶妙な間合いをとりながら接近し、半ば一体化したような瞬間。

 大きな野炉の炎はクライマックスを迎えます。

 炎の子宮から現れた新しい生命を宿した土器や土偶は、堂々と初々しく輝いています。


=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∴=


秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)

秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)

=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∵=∴=∴=


●開会式では新見市長や猪風来美術館後援会長など挨拶!


 開会式には戎新見市長・小林県議・正村新見市教育長などご出席いただき、新見から縄文芸術の発信を期待する旨のご挨拶を頂きました。

 また猪風来美術館後援会から奥津会長と北川副会長からご挨拶をいただき「村上原野縄文造形作品集」発行の報告・お礼などがありました。

 松本直子(岡山大学・考古学)先生からは縄文土器を解明する重要なポイントが猪風来美術館の活動の中に在り、縄文アートや心の領域について共同で研究したい旨お話がありました。


●縄文野焼き大賞など4賞決定!


 焼き上がった作品の中から、特に縄文造形の素晴らしさや独創性に優れたものを選び選考、決定しました。表彰されたのは次の方々です。

  縄文野焼き大賞     黒田知恵(倉敷市)   縄文土器

  新見市教育長賞     西内錦太郎(井原市)  縄文土器

  猪風来美術館館長賞   宮原由紀夫(大阪府)  縄文土器

  法曽焼同好会会長賞   近藤百恵(吉備中央町) 土偶


 作品取りだしの後、輪になって大地と火、風、太陽に感謝の思いを込めてささやかながら「縄文大地の精霊ダンス」を踊りました。


 野焼きスタッフの皆さん、裏方で美味しいカレーを作ってくれた皆さん、受付・駐車場係・撮影その他協力してくれた皆さん、準備万端を担って開催に尽力した法曾焼同好会、手助け、協力してくださった全ての方々に御礼申し上げます!


秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)
秋の縄文野焼き祭り(令和3年度) 秋の縄文野焼き祭り(令和3年度)

「第33回 秋の縄文野焼き祭り」チラシ表面
【「第33回 秋の縄文野焼き祭り」チラシ】 →PDF版を開く


▲ページ先頭に戻る