【いのち満ちる~女たちの縄文 むらかみよしこタペストリー展チラシ】 →PDF版を開く |
――大地はすべての命を孕んでいる。
この大地から土をいただいて土器や土偶は作られる。
母なる大地の分身として。
土器を作る女がみえる。
これは命の入れ物。
土器は子宮。
渦巻く文様は波のように動く命そのもの、そして縄目を転がして命を守る。
文様は生まれてくる命の躍動、あの世とこの世の境を行きかう命。
あらゆる生き物たちが器の上でつながっている――
2016年春、猪風来美術館で始められた『女たちの縄文野焼き』は、女性たちがみずから作った土器を野焼き
する縄文時代以来約2,400年ぶりの“女たちの縄文”の復活となりました。
いま女たちの縄文を蘇らせる意味は何でしょう。
母系制――女性原理思考の息づく造形、命と魂の躍動する縄文文様。
現代文明の行きつく先が暗雲漂ういま、母なる大地の豊穣とあらゆる命を抱く縄文スピリットこそが未来を
拓く鍵になると信じます。
画面の中、大きく弧を描いて立ち昇る“赤い狼煙”は女たちの生命を巡る熱いメッセージ。
古から現在へ、現在から未来へ、ここから世界へ向けた女たちの伝言。
縄文に魅せられた女たちの姿をタペストリーに織り込み表現しました。
どうぞご覧ください。
(むらかみよしこ)
――作品『いのち満ちる~女たちの縄文』(手紡ぎ・草木染・手織作品250×255cm)